老舗和菓子屋|知ると面白い、包装デザインの話

 


百貨店に和菓子を買いに行きました。


お店ごと商品ごとの様々な包装に、デザインにもストーリーがあったら面白いなと思いました。

今回は、老舗和菓子屋さんの包装デザインについて書いています。




【とらや】

▷室町時代後期に京都で創業


黒地に虎の絵が描かれた手提げ袋。

目にすれば、とらやのものとすぐに分かるくらい有名ですよね。


とらやの屋号は、信仰していた毘沙門天(富徳富貴の神)にゆかりのある動物が虎だからだそうですが、諸説あるようです。


特徴的な手提げ袋のデザインの由来は、江戸時代に作られた「雛菓子用の小ぶりな井籠(せいろう)」です。

中に小さな菓子を詰め、宮中などへお納めしていました。


1970年に、当時勤務していた金属造形作家の永井鐵太郎(ながいてつたろう)氏が井籠のデザインを取り入れたことが始まりで、今ではとらやの顔となっています。


(参考:https://www.toraya-group.co.jp/corporate/bunko/activity/bunko-activity-collection18-02-13


ちなみに、私はまったく気付いていなかったのですが、、

手提げ袋の底にさりげなくデザインの由来が書かれています🐅



(引用:https://precious.jp/articles/-/18601)


【叶長寿庵】

▷1958年に滋賀で創業


叶長寿庵は、地元である近江にまつわる歴史や文化を映した創作和菓子で日本の風俗や慣習・美意識を表現し、伝えようとしてきた和菓子屋さんです。


包装紙のデザインは、1970年代に創業者の創業者の芝田清次(しばたせいじ)氏が考案したものです。


こちらの包装紙は、封筒として再利用できるように、裏面に組み立て図が印刷されています。

50年も前からエコですね。


ですが、知らない方からは「包装紙の裏紙を使うなんて」「失礼なことをする人だ」と誤解を招くかもと心配、、

と思ったら、端っこに小さく「菓匠 叶匠壽庵 包装紙利用」の文字がありました☺️



(引用:https://cake.tokyo/featured/taneya/chapter_07)


【たねや】

▷1872年に滋賀で創業


江戸時代から種子をあつかってきたお店の屋号そのまま、素朴な感じで私の大好きな和菓子屋さんです。


四季折々、近江のかけがえのない自然や、そこで育まれてきた文化、都会から離れたふるさとならではの美しさ、何より美味しさを、和菓子を通して伝え続けています。


たねや の包装に対するこだわりはすごいです。

『自分がつくる菓子は我が子のようなものだ』『そのくらい大切な想いでつくっているのだから、お菓子に着させる“べべ(着物)”までこだわるのは親の務めだろう』という想いがあり、すべて自社でデザインしています。


フルーティなオリーブオイルと甘さ控えめな優しい味の大福を組み合わせた商品も、もちろん包装のデザインにこだわりがあります。

緩衝材のようなデザインは、産地で無造作に包まれた感じがして面白いですし、“FRAGILE(壊れもの注意)”のシールも可愛いです。



普段あまり気にしていなかった包装デザインですが、着目してみると楽しい発見がありました✨


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【日々の出来事】
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