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「この水のコピーを書いて。5分ぐらいで。」
受講生たちは一斉にメモ帳やスケッチブックを取り出して、ペンを片手に書き始めました。
(……アウト)
僕は心の中でつぶやきました。
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(引用:著書「ここらで広告コピーの本当の話をします。」)
○○○○○○読書の記録○○○○○○
(著者:小霜和也)
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
▶︎ 広告コピーにとどまる本にあらず
この本は、仕事の本質をわかっていないコピーライターの卵たちを憂いて書かれた背景があるそうです。
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みなさんは、コピーライターやクリエイティブディレクターの仕事を、企業や商品の内容を”伝える”ことと思っていたかもしれません。実はそんな単純なことではないんです。”価値が上がるように伝える”のが仕事なのです。
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著者曰く、「広告コピー」には、商品戦略、企業戦略の全てが凝縮されていると。
様々なマーケティング手法が登場し、新しい職種もたくさん生まれる中で、コピーライターはますます重要な職種であること、その存在価値を正しく理解してほしいという想いで書かれています。
このような背景なので、コピーライターや広告業界に携わる人向けの本かと思いきや!
プロ意識を持った職業観、学び成長する姿勢など、業界や職種に関係なく、社会人の誰が読んでも役に立つ本です✨
⬇︎こちらが本の目次です。
そもそも広告コピーって何/コピーを「考える」/そもそも広告って何/コピーを書く「姿勢」/コピーライター人生とは
【広告コピー(コピー)】を自分(企業)が扱っている商品・サービスに、【広告】を自分がいる業界に、【コピーライター】を自分の職種に当てはめて読むと、とても勉強になりました。
▶︎ プロから学ぶ、3つの心構え
私がこの本を読んで、仕事をする上で大事にしたいと思ったことは以下の3つです。
◎謙虚
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経験も少ない人が先達を見習わず、学ばず、自分の中にあるものだけで正解が導き出せるでしょうか。
プロにおいてコピーの「勉強」というのは、擬似商品、競合商品が築いてきた成功表現に学ぶことを言うのです。
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謙虚な人は、「私なんて」と卑屈になったり、へりくだるのではなく、わかっていないこと・できていないことを認められる人だと思います。
謙虚でいることは自分を成長させることにつながると体感したことがあります。
社会人1年目、プロジェクトリーダーの補助業務を任されていました。
最初から仕事ができると認められて担当したわけではありません。
むしろ、化学出身の自分からすると、同期のほとんどが薬学部を卒業していて、医薬品の知識や医療機関での実習経験があるため、同じ新人と言えど仕事の面で出遅れていると感じていました。
専門知識と経験の不足を認識していたからこそ、真剣に、優秀な先輩から仕事の仕方を教わり、OJTでは先輩と医師のやり取りを「見て」学び、成功体験を積むようにしました。
1年目でリーダー補助業務ができるようになったのは、仕事ができる人の真似をすることで、押さえどころや状況に応じて適切に判断する力が早く身についたからだと思います。
逆に、慣れてきて謙虚さが失われている時は、だいたい医療機関のスタッフさんと揉めたり、つまらないミスをしてしまいます、、
あらためて、謙虚でいようと思いました。
◎担当商品のファンになること
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自分が惚れ込んだ商品の価値を、どうやれば表現できるのか、その苦悩が僕らのモチベーションであるべきです。
それなしではどんなコピーも薄っぺらく、嘘っぽいものでしかありません。
真の説得力は得られない。
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自分の仕事に置き換えて、治験薬(医薬品として承認される前の薬)のファンでいるって考えたことなかったです。
某医療機関の医師に治験薬の説明をしに行った際に、「自分の家族にこの薬を投与しようと思わない」とバッサリ言われ、Oh...と思ったことがあります。
うーん、でも、この薬の有効性が証明できれば、既存の医薬品で治療ができなくて困ってる患者さんのためになるけどなぁ、くらいの熱量でした。
確かに、本気で説得しようという時には、めちゃくちゃ価値があるんです!これ!どう表現したら!!となると思います。
仕事で思い当たる節がないのは遺憾ですが。
それこそ、私が惚れ込んでいる、大好きなアーティストのIUについて語るのであれば、真の説得力を生み出せる自信があります。
◎自分を追い込んで、思考を煮えたぎらせていること
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適当なところで「こんなもんかな」と思わないこと。
「ほんとにこれでいいんだろうか?」「もっと何かないだろうか」と常に「臆病」で「貪欲」であることです。
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著者は、化ける人たちの共通点、とも書いていました。
私は仕事に追われていると、つい目の前のことしか考えられなくなってしまいます。
いい仕事をするために、内省し、「もっとできることはあるか?」を考えながら仕事のクオリティを上げていこうと思いました。
▶︎ 最後に
コピーライターの本なので、全然違う業界のことを垣間見てみようという、ちょっとした好奇心で読み始めましたが、仕事の本質や姿勢についての著者の考え方を知って視野が広がり、とても良かったです。
この本を読んで、業界、職種に関わらず、プロフェッショナルの考え方から学べることはあると勉強になりました。
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