「コンパとは、私が従業員との間で率直にコミュニケーションを図る場であり、同時に、私の考えをみんなに理解してもらうための大切な場です。(中略)私は会社を創業して以来、機会を見つけてはコンパを開き、リラックスした雰囲気の中、膝を突き合わせて酒を酌み交わし、人生について、仕事について語り明かしました」
(引用:北方雅人、久保俊介著『稲盛流コンパ 最強組織をつくる究極の飲み会』)
今回は、京セラ創業者の稲盛和夫さんが社員との結束力を高めるために実施されていた、稲盛流コンパについて書いていこうと思います。
▶︎ 職場の飲み会に参加する?しない?
新型コロナウイルスの流行で、飲み会を控える企業もあれば、飲み会の文化が根強い企業もあるかと思います。
私の職場は後者で、まん延防止等重点措置が解除されてからは、一般的な衛生管理をしつつ、徐々に飲み会が増えています。
先輩からすると扱いにくいかもしれませんが、私は社会人1年目の頃から、職場の飲み会には一貫して参加しない主義でした。
職場は仕事をする場所で、飲み会に参加する意味が心の底から分からなかったからです。
部署内、部署間のちょっとした情報共有は、お昼休みにご飯を食べながら話せれば充分だと考えていました。
ところが、会社で新しいプロジェクトが始まり、この考えが変わるきっかけが訪れました。
中途採用で同じプロジェクトメンバーになった同僚(飲み会好き)から、『稲盛流コンパ 最強組織をつくる究極の飲み会』をおすすめされたのです。
▶︎ 結束力を高める、稲盛流コンパ(飲み会)のルール
本を読んで、稲盛さんがコンパを重要視されていた理由が理解できました。
稲盛さん流のコンパのルールは色々ありますが、その中で私が「いいな」と感じたルールは以下の2つです。
①飲み会で話すテーマを決める
誰かが発言したら、それをみんなで取り上げ、議論を繰り返しながらテーマを深掘りしていく、という飲み会が稲盛さん流です。
お酒を飲み交わす場だからこそ、経営者と社員の心の距離が近くなり、昼間の会議とは違う状態で語り合える、と考えていらっしゃったそうです。
ただお酒を飲んで雑談をするのではなく、有意義な時間となる「テーマのある飲み会」には、参加してみたいと感じました。
②手酌をしてはいけない
人の器より先に、手酌で自分の器を満たすことは「利己の現れ」だそうです。
周囲に目を配り、心は「利他」の状態であること。
その文化は、新入社員研修後の歓迎会で、役員が新入社員にお酒をついで回る姿から、早くも教えられます。
京セラでは、管理職が鍋奉行となり部下のために鍋を作り、大皿料理は気を利かせて公平に料理が行き渡るように取り仕切るのだそうです。
いつだったか、「手酌は出世しない」と聞いたことがあり、手酌ご法度の精神ではありましたが、こういう上司がいる飲み会は楽しく飲めるので、やはり参加してみたいと思いました。
▶︎ 『飲み会』のイメージが変わる
飲み会は、ただ親睦を深めるだけだと考えていました。
稲盛さん流のコンパを学ぶと、組織の結束力を高め、大事にしたい文化を醸造する目的があったことが分かりました。
自分がキャリアを積み、プロジェクトチームをまとめる時に、この本で学んだことを活かしたいですし、今、飲み会をしたがる上司や先輩、同僚に歩み寄ることを検討するのもアリだな・・・と、読み終わる頃には考えが変わっていました。
▶︎ 最後に
稲盛さんは、JAL再生の際にもコンパを通じて改革の意識を一致させ、大家族のように一丸となり業績をV字回復させたのだそうです。
単なる飲み会に留まらない、稲盛さん流のコンパについてもっと詳しく知りたい方は是非読んでみてください。
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