「私自身、人生を振り返ってみると挫折の連続だった。中学受験に失敗し落ち込んでいる時に結核にかかった。戦時中の空襲で家は焼け、家業は廃業に追い込まれた。大学入試では志望大学に落ち、さらに苦労して入社した会社は倒産寸前だった。
まさに挫折続きの青春時代ではあったが、その後、人生に明るい希望を抱き、一生懸命誰にも負けない努力をしてきたことで、道は開かれてきた。」
(引用:稲盛和夫 魂の言葉108)
▶︎ 『稲盛和夫 魂の言葉108』が教えてくれること
本書には、稲盛さんの経験や仕事、人生を通して培われた哲学が書かれています。
若い人たちにも身近に考えられるようにと考えられて作られた背景には、未来を担う世代に対して、より良い人生を送るための指針になればという想いが込められています。
一流の経営者が、どんな職業観、人生観をもって日々過ごしていたのかを知りたいと思い、この本を手に取りました。
今回は、『稲盛和夫 魂の言葉108』を読んで心に響いた言葉をまとめたいと思います。
▶︎ 心に残る言葉5選
108ある魂の言葉から、特に印象に残った言葉を5つ紹介します。
①自分に訪れる出来事の種をまいているのはみんな自分なのです。
幸も不幸も、自分の心のありようが招くもの。
人生で起きることは何事も自分の意志次第で好転させられるとしたら、そうなるように自分が種をまいていこうと思います。
②人生とはその「今日一日」の積み重ね、「いま」の連続にほかなりません。
稲盛さんでさえ、時に夢と現実の大きな落差に打ちのめされることがあり、日々の仕事に追われる毎日で世界一の会社を作ることができるのだろうかと自問自答したこともあるそうです。
ですが「今日一日」の仕事の積み重ねの果てに、ようやく大きな夢を叶えることができるという言葉が励みになりました。
③人生に対する目標を持った人と、持たない人とでは、人生の後半では相当な差がついてしまうはずです。
若い頃、特に就学時に「自分はどういう人間なのか」「人生をどう生きたらいいのだろうか」と、人生の目標を考えたことがある人とない人とでは人生の後半で大きな差がつくだろうし、その志にしても一朝一夕でものにできるわけではなく日々の地道な努力が欠かせません。
④人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
ことを成そうという熱意(情熱)と能力は0点から100点まであります。
考え方は最も大事で、心のあり方や生きる姿勢のことを指していて、マイナス100点からプラス100点まであります。
いくら才能があり、熱意に溢れていたとしても、考え方がマイナス(不健全、邪)であれば、掛け算で不幸を招く結果となるのです。
⑤もうダメだ、無理だというのは、通過地点に過ぎない。全ての力を尽くして限界まで粘れば、絶対に成功するのだ。
普段、私たちの潜在能力を発揮しようとする遺伝子の機能はOFFモードになっています。
では、この機能をONにするにはどうしたら良いか。
それには、前向きな精神状態や心の持ち方が大きく作用しているのだそうです。
仕事で終わりが見えない業務に追われることが多々ありますが、目標達成を強く願い、ポジティブな発想で積極的に行動することを意識して遺伝子の機能をONにします。
▶︎ 最後に
冒頭で引用している文章の通り、挫折の連続でも、そこで諦めるのではなく、誰にも負けない努力で明るい未来を切り開いてこられた稲盛さんだからこその人生哲学が詰まっていました。
仕事に打ち込む中で、迷うことがあれば本書に立ち返ろうと思えるエッセンスばかりで、これから社会人になる人たちに特におすすめしたい一冊でした。
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